ヤドリスズメバチ
(Vespula austriaca Panzer)
ヤドリスズメバチは社会寄生をする変わったクロスズメバチです。そんなちょっと変わったスズメバチの特徴や生態を紹介しちゃいます!!
ヤドリスズメバチは暑いところは好きではないようです。基本的には山にいます。本州の中部よりも北の山の中、さらには北海道に分布していることが分かっています。
日本以外の地域では、北アジア、北アメリカ、ヨーロッパにいることが知られています。
他のクロスズメバチたちに比べてちょっと遅く、6月や7月頃にヤドリスズメバチの女王蜂は越冬から目覚めて活動を開始します。ちょっと目覚めが遅いのは、巣の乗っ取りのターゲットとなる巣が、すでに営巣をしていなければならないからです。
女王蜂が、ターゲットとなるツヤクロスズメバチの巣を見つけると、その巣内に侵入し、ツヤクロスズメバチの女王蜂を刺し殺します。そしてそこにもともといたツヤクロスズメバチの働き蜂に、ヤドリスズメバチの雄蜂や新しい女王蜂を育ててもらうのです。
スズメバチ属のチャイロスズメバチにやることがよく似てはいますが、ヤドリスズメバチは自分の働き蜂を産まないで社会寄生をする、なんとも風変りなスズメバチだったのです。
スズメバチの仲間にしては珍しく、このヤドリスズメバチには働き蜂がいないのです。 これには驚き!!
体の大きさはどうなのかというと、雄蜂で11~16mmくらい、女王蜂が16~18mm程度となります。身体は真黒な上に、黄色い模様があるのが特徴です。
ヤドリスズメバチには、働き蜂がいません。すべて寄生した先のツヤクロスズメバチに頼って生活をします。そのため、食べ物もツヤクロスズメバチの働き蜂が集めてきたものをヤドリスズメバチの幼虫たちはいただくことになります。
そんなことから、食生活はツヤクロスズメバチとまったく同じとなります。
ヤドリスズメバチには働き蜂がいないので、一度この種が寄生すると、その後働き蜂が産まれてこなくなります。そのため、寄生されなかったツヤクロスズメバチの巣に比べて大変小さな巣のまま営巣が終わります。多くの場合、巣盤は1段しかできませんが、2段目ができるのは非常にまれなことになります。
ヤドリスズメバチの巣からは、雄蜂は100位、女王蜂になると10~30匹程度しか羽化してこないのです。生産数の非常に少ないスズメバチの仲間なんですね。
ヤドリスズメバチには巣を守る仕事をする働き蜂がいません。なので、ヤドリスズメバチチから攻撃されることはないのです。
巣にはツヤクロスズメバチの働き蜂がいるので、巣を守るツヤクロスズメバチに刺されることはあるかもしれません。
クロスズメバチ属(Vespula)