クロスズメバチ
(Vespula flaviceps Smith)
クロスズメバチって知っていますか?スズメバチの中でも非常に小さく、一般にはまずお目にかかれないと思います。
でも野山にはたくさんいて、特に人を刺すことも少ないスズメバチです。
一般にスズメバチだと騒がれる種類ではなく、都市近郊にも巣は作りません。
そんなクロスズメバチの特徴を紹介します。
クロスズメバチの体長は、働き蜂10~12mm、女王蜂で15mm程、雄蜂が12~14mmらいです。
テレビなどで出てくる他のスズメバチと比べて、大変小さいスズメバチなんです。
色は、体は真っ黒、白い線や模様がついています。
クロスズメバチは、北海道から本州、四国、九州、佐渡島、奄美大島の平地そして低山地帯で普通に生息が確認されています。
普段なかなかお目にかかれない割には、日本の中で生息範囲が非常に広いスズメバチなんです。
またいくつかの亜種と呼ばれる、若干違う種類のクロスズメバチもいることが分かっています。
日本以外では、この亜種が台湾、朝鮮、インド、シベリアでも確認されています。
クロスズメバチは、南の方の地域では、女王蜂が3月下旬から、他のスズメバチと比べ早めに活動を開始します。
働き蜂は、6月に羽化をはじめ、巣の拡張を行います。新女王蜂や雄蜂は10月から12月に羽化をします。
土の中といった比較的温度が変化しにくいところで営巣できるので、クロスズメバチは、年を越し、1月まで営巣をしていることもあります。
暖冬の年には、関東よりも温暖な地域では、新しい女王蜂や雄蜂が3月まで羽化をしている巣もあるそうです。
クロスズメバチは、基本的には土の中に巣を作る習性があります。このほかにも木の中、軒先、屋根裏にも巣を作ることがあります。
巣の形は球状で、若干下部が膨らんだ巣になります。外側の外被は厚く、巣盤を全部覆い、巣の中への出入口は、横に一つだけできます。
クロスズメバチの女王蜂がはじめに作る巣では、卵をうみつける巣房の数45~46個ほどです。
働き蜂が羽化すると、巣の大きさは25から40センチまで大きくなり、巣盤の数は5から7段、巣房の数は3000から6000個にまで拡張します。
関東より南の地域では、巣盤は8から12段、巣房数は8,000から12,000個にまでおおきくなります。最も多い時期で、クロスズメバチの成虫の数は、働き蜂は800から1500匹にも増えます。
秋以降に羽化する、新女王蜂や雄蜂は1,000から3,000匹も羽化してくることがあります。
クロスズメバチの働き蜂は、ハエやアブなどのハエの仲間、ウンカやカメムシなどのカメムシの仲間、チョウやガ゙などのチョウの仲間の昆虫など、小型の昆虫を餌として巣に持ち帰り、幼虫の餌にします。
またクモもとらえたり、カエルやヘビ゙、魚などの生のお肉もかじり捕り、餌として巣に持ち帰ります。
果樹園、水田の害虫の天敵昆虫としても、大変重要なスズメバチなのです。
クロスズメバチは、基本的には攻撃性はなく、威嚇もあまりしません。しかし巣の付近で草刈りや外仕事をしていると、興奮した働き蜂に刺されることもあります。
最近では、里山付近の行楽地などで、甘い飲料水の飲み残しにやってきたクロスズメバチの働き蜂に、口などを刺されるという事例もあります。
これは砂糖の甘い匂いに誘われてやてきた、クロスズメバチによるもので、他にもキイロスズメバチでこういった事例が報告されています。行楽地でジュースを飲む際には気をつけましょう。
クロスズメバチ属(Vespula)